社会人の悩み「従業員持株会」は加入した方がいいのか?
サラリーマン投資家である平太郎が考え方をまとめます。
あくまで1個人の考えです。意見の一つとして読んでください
・従業員持株会とは何かを理解する
・従業員持株会のデメリット
・基本的にはオススメしない
まずは結論!
基本的には従業員持株会への加入は、オススメしません!
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従業員持株会って?
従業員持株会という制度は、社員が自社の株を積立購入する制度です。
一般的には、給与の一部を自社の株式購入に当てます。
「社員の資産形成を手伝う福利厚生の一端」という位置づけにされている場合が多いです。
会社に言われるがまま加入している人も少なくありません。
基本的に、従業員持株会に入る場合は気をつけないといけない点がいくつかあるので紹介していきます。
持株会に入る前に
持株会は会社によってルールが違います。
積立金はいくらか?
退職時に購入した株はどうなるのか?
奨励金はあるのか?
等々自社の社則を確認して下さい。
持株会で一番重要な点は「奨励金」です。
奨励金とは、厚生年金のように株式を購入する際に会社が負担してくれる額の割合を言います。
例えば報奨金が20%の会社であれば、月1万円を積立した際に、会社が2000円追加で積み立ててくれるというものです。奨励金の設定は自由なため、勿論0の会社もあります。
スタートアップのイケイケな企業などは、奨励金100%を設定した事例もあります。(例:サイボウズ)
これだけ聞くとかなりいい制度に感じます。
しかし、最初に書いた通り、平太郎個人の考えとしては持株会への加入はお勧めしません。理由と注意点を紹介していきます。
持株会の注意点
『今の日本』を考える
会社に入ってすぐ、いきなり持株会の話をされてもよくわからない・・・
そうなると
となるのが自然な流れです。そして「儲かってるよ!」と答えられることも多いでしょう。
しかし注意してください。
その上司は何歳で何年積立てているでしょうか?
現在の日本は0成長といわれるほど経済成長がありません。
上司が持株会で儲かっているのは、
- 日本全体が経済成長している時代に株を購入している
- 会社自体が若く、事業拡大をガンガンしている時代に購入している
- 長期間の積立でドルコスト平均法のメリットを享受できている
という3点によって結果が出ている可能性が有ります。
ドルコスト平均法?という方はこちらに図、表を交えた詳細な解説があります。
つまり、従業員持株会で利益が出るのは、終身雇用制度が確立していて、将来的にも景気の良い会社である事が条件な訳です。
さて、終身雇用制度は崩壊し、経済0成長の日本、その上AIが台頭していき、人間がやる仕事が絞られていく時代です。
「間違いなくうちの会社は、未来永劫順風満帆だ!」と言い切れる会社員がどれくらいいるでしょうか?
リスクの集中
「自社の株を購入する」という行為自体がリスク、リターンが集中する結果となります。
〈会社の業績がいい時〉
あなたの会社の景気が良い時は素晴らしいでしょう。
給料のペースアップや、特別賞与が出るかもしれません。
その上保有している株の値段は上がり、資産も拡大していく。最高な状態でしょう。
〈会社の業績が悪い時〉
会社の景気が悪くなれば、給料は下がり、ボーナスカットになるかもしれません。
その上自分の資産である株はだだ下がりです。
さらにそんなタイミングで定年退職、解雇となったら…
目も当てられません。
つまり会社の業績に自分の給料だけでは無く、資産も左右されてしまう訳です。
勿論「私は会社を信じてる。絶対に自社はバンバン大きくなって行くはずだ。」と言う考えであれば、問題ありません。
しかし、あなたが、会社のことが好きでも残念ながら片想いの可能性もあります。
と考えていても、あっさり解雇という可能性も十分にあり得ます。
また、時代的にも「会社と一蓮托生」より「スキルアップのために転職もいとわない」という考え方が多数派でしょう。
従業員持株会という制度そのものが「終身雇用」で転職をしない事を前提として組み立てられている制度だといえます。
持株会を検討するための資料
持株会の勧誘時は、説明資料を渡されると思います。
ほら素晴らしいでしょう!資産が増えるでしょう!という資料を見せられるかもしれません。
しかし、過去のデータは参考にはなりますが将来の担保にはなりません。
過去の景気のいい時期だけを切り取った資料の可能性もあります。
その上このような資料は通常預金と比較されていることがほとんどです。
現在日本の金利は0.001%程度です。
同じ時期、優良な投資信託を積立する場合と比較すると…ということです。
グラフやデータはいくらでも、良く見せることができます。
ましてや投資経験が無く、データやグラフを見慣れていないとどこに問題があるかすらわかりません。
また、「少額から始められること」を売りにしている場合もあります。
しかし現在は投資のハードルは低くなり、株式も1株づつ自由に売買できます。
現代では「少額から株式を購入できること」はメリットとは言えません。
従業員持株会の経営側のメリット
・自社株を持たせることで、会社に対する忠誠心を持たせる。
・敵対的買収されにくくなる。
サラリーマン投資家の実践例
私は以上のリスクを踏まえ持株会には入っていません。
また個別株を購入する際は、自分が勤めている業界の株式はできるだけ避けています。
例えば自分がエネルギー業界に勤めているのに、エネルギー関連銘柄ばかり投資すると、前述のように、業界の景気により給料も資産も左右される結果となります。
「一つのカゴに卵は盛るな。」という投資の格言があります。
投資は分散して行うことが基本です。
〈了〉