殆どの人がそうだと思うんだ。例えばスーパーで買い物する時、見たこともない、得体の知れない食材は普通買わないよね?
何故か保険だけは、「よくわからないものを買う」っていうのがまかり通ってしまっているんだ。
今回は本当に必要な保険なのかを考えていこう!
・本当に必要な民間保険は2つだけ
・大きな病気は、高額療養費制度を使って月10万程度
・保険は理屈と数字で考える
保険は安心の為?
まず大前提として、一般家庭で保険が必要なケースは非常に限られています。
なぜなら日本は社会福祉が非常に充実している国だからです。
基本的に必要な保険は、2つだけです。
車を持っている場合の対人・対物保険(無制限)
子供がいる家庭で、1馬力で働いていおり稼ぎ手がいなくなってしまうと、直ちに生活が困窮してしまう家庭の掛捨て生命保険
この二つだけです。
それ以外は必要有りません。
を確認していこう!
日本の国民皆保険制度の威力!
さて保険は、安心の為あるいはお守り代わりという人が一定数います。
万が一病気になった時の為に、お金がないと大変だという思考ですね。
では病気になった時にいくらかかるのか?確認してみましょう。
まず日本では、医療費は自己負担3割です。7割は国が負担してくれます。
高額療養費制度の区分表(横にスクロールできます)
所得区分 | 自己負担限度額 | 多数該当※2 |
①区分ア (標準報酬月額83万円以上の方) (報酬月額81万円以上の方) |
252,600円+(総医療費※1-842,000円)×1% | 140,100円 |
②区分イ (標準報酬月額53万円~79万円の方) (報酬月額51万5千円以上~81万円未満の方) |
167,400円+(総医療費※1-558,000円)×1% | 93,000円 |
③区分ウ (標準報酬月額28万円~50万円の方) (報酬月額27万円以上~51万5千円未満の方) |
80,100円+(総医療費※1-267,000円)×1% | 44,400円 |
④区分エ (標準報酬月額26万円以下の方) (報酬月額27万円未満の方) |
57,600円 | 44,400円 |
⑤区分オ(低所得者) (被保険者が市区町村民税の非課税者等) |
35,400円 | 24,600円 |
※1総医療費とは保険適用される診察費用の総額(10割)です。
※2診療を受けた月以前の1年間に、3ヵ月以上の高額療養費の支給を受けた(限度額適用認定証を使用し、自己負担限度額を
負担した場合も含む)場合には、4ヵ月目から「多数該当」となり、自己負担限度額がさらに軽減されます。
ー全国健康保険協会より抜粋
つまり普通の会社員なら気にする必要はないよ。ただ標準報酬月額は、残業代や通勤手当も含めた総支給額だから注意してね。
一般的会社員であれば、ほとんどの方が(ウ)か(エ)に該当します。
さて、先ほどの疑問に戻ると、がんになった場合いくらかかるか?ですが、
ガンは沢山の種類があり、治療法も様々です。
かなり悪いケースをモデルに考えると、手術で約100万円、一か月の入院で50万、計150万かかったと仮定します。
その場合でも区分(ウ)の方が、92430円。区分(エ)の方が57600円です。
ここまでのポイントを押さえます。
・日本には高額療養費制度がある
・標準月額報酬額によって支払う額が変わる
・1月で150万円かかっても実際かかる費用は10万円程度
・がんの平均入院日数は17日程度
※差額ベット代や、保険適応外の治療は当然保険が適用されません。
積立保険は絶対にNG!!
積立保険を売る時のセールストークをまとめると
・貯蓄できる
・万一の時保障がでる
・払ったお金が返ってくる
・銀行より利率がいい
・貯蓄はできているが満期になるまで引き出すことができない(満期前に引き出すと手数料を取られる)
・万が一の保証にはなるが、その保証を受けられるのは、不幸のギャンブルに勝った人だけ。実際に病気になった時は前章のように、国民保険がきく為、民間保険が必要なケースはほとんどない。
・払ったお金に利率がつくが、ほんのわずか。預金とほぼ差はない。つまり引き出せない貯金と同じ。
・わざわざ手数料を払って、悪い投信を買っている。
この中で特に問題なのは、お金が引き出せなくなってしまうこと。
手数料を払って悪い投資商品を買っている所。
この2点です。
現在は優良な投信も増え、手数料ビジネスだった投資信託にも優良なものが増えてきています。ネット証券で気軽に取引できる時代です。その上積立NISA等の税制優遇措置もあります。
わざわざ保険屋を通すメリットが全くありません。
よく保険屋さんに相談して決めるっていう人がいるけども大間違いだよ!
まして保険屋さんは営業ノルマがあって保険の契約=自分の収入に直結するんだよ!
投資や保険などお金にかかわることはまず自分で納得いくまで調べる。
そしてアドバイスがもらいたい時は、
アドバイスをもらう人と、契約・購入する人は別にする。
これが基本です。
保険を考えるときに必要な視点
例えるなら宝くじが当たった人にインタビューしているようなものです。
高額当選した人からすれば、「宝くじを買っておいてよかった」となるのは当然だよね。宝くじが外れた人にインタビューはしないよね。
いいえ!一緒です!保険の事を考えるときは理屈と数字で考えましょう。これを感情で考えてしまうと、正しく理解できません。
そして決まり文句のように、セールスでは感情で考えるよう誘導してきます。
曰く、安心の為、ご家族の為、将来の為、子供の為等々
感情では考えず、理屈で考える。これが保険を考える際の最重要ポイントです。
ここまで保険の事について書いてきましたが、昨今投資を行う人中心に、保険不要論が多く出ています。
しかし、保険はその人の属性によって、入るかどうか決めるものです。
全ての人は保険必要なし。という論調は行き過ぎです。
1章に書いた様に、運転する人の対人・対物保険は必須ですし、相続に絡む一括保険など保険を契約すべきタイミングもあります。
また、中には「学資保険が無駄だから、積立で備えた方がいい。」なんて意見もありますが、コレは行き過ぎです。
教育費など、タイミングで必ず必要になる出費を不確実性のあるもので備えるのはNGです。
・積立保険や外貨建て保険など、明らかに顧客を騙して儲ける手数料ビジネスを主力に据えていること
・会社から販売員へのノルマの押し付けが厳しく、不要に契約させなければならないこと
・かんぽ生命の不正問題
など保険会社サイドにも問題は有りますが…
確かに、95%の保険は、不要な商品ですが、保険=全て悪ではありません。
上記を全て読んでも、それでも保険が必要だと思う方は吟味して契約すればよいと思います。
保険を考える上で意外と見落とす点
そして意外と見落としがちな視点が、会社の中にGLTD制度などの団体保険制度がある場合です。
団体保険制度は会社によって、有る所、無い所まちまちです。
一般的には大会社の方が人数が多い為、安くなる傾向にあります。
同じ内容の補填でも、制度を利用すれば保険料が1/3以下になることも良くあります。
会社員であれば、一度調べてみることをオススメします。
最後にあなたの住んでいる地域に〇〇生命ビルってよく見ませんか?
一等地にビルをバンバンたてる資金。
ゴールデンタイムに超人気有名人を使ってバンバンCMを流す資金。
保険会社って本当に儲かるんですね。
営利企業なので、儲けることは決して悪いことではありません。
しかし「あなたの為」といいながら、必要なプランではなく、保険会社が儲かるプランを提案しているわけですね。
<了>
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