東野圭吾さんのプロフィール&作風
1958年大阪府生まれ。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。1999年『秘密』で、第52回日本推理作家協会賞を受賞。2006年には『容疑者Xの献身』で、第134回直木賞を受賞した。他著に、『超・殺人事件』『白夜行』『手紙』『赤い指』など多数。
ー出典:新潮社 著者プロフィール
一度は聞いたことがあるであろう有名な小説家さんですね。
好きな作家さんに挙げる人も多いと思います。
初期はいわゆる“本格派”の作風でしたが、途中から“本格派”そのものに疑問をぶつけるようなメタ的作品が多くなり、その後“社会派”推理小説が多くなっていきます。
ミステリという枠組みそのものを広げようという意思を感じます。
社会派っていうのは、現実社会に即した話って理解でいいと思うよ!
東野さんは、理系で、技術者として働いていた過去があります。
そのため物理や化学、数学が散り映えられた作品(ガリレオシリーズ等)も多く”理系ミステリ”と呼ばれることもあります。
そんな東野さんの文章はとても読みやすいことが特徴です。
地の文はシンプルで感情表現が少なく、文学的な表現も抑えてあります。
(※地の文=会話以外の文章)
話の構成や会話文で読者を惹きつけるタイプになります。その為、読書初心者にもオススメです。
東野圭吾さんのオススメ3選
1.聖女の救済
真柴綾音と真柴義孝夫妻は子供ができないことを理由に離婚することが決まっていた。その時綾音の胸中には義孝へのある宣告が下されていた。
ー出典:Wikipedia
「探偵ガリレオ」シリーズの第5弾です。東野さんのシリーズものは、それぞれ独立している為、つながりは有りません。
ガリレオをドラマで見たことがあるくらいの人に特にオススメです。
ミステリにはあまり似合わない“救済”とはなんなのか?
なにが“救い”なのか?
だれが“救済”されるのか?
動機・トリック・話の構成、どれをとっても一級品です。
読後にタイトルの意味が分かる、素晴らしい作品です。
2.悪意
有名小説家の日高邦彦が自宅で他殺体となって発見された。刑事の加賀恭一郎は、日高の親友である児童小説家の野々口修が書いた「事件に関する手記」に興味を持つ。加賀は聞き込みや推理を通して、野々口の手記に疑問を抱くようになる。やがて犯人が明らかになるが、犯人は犯行の動機を決して語ろうとはしないのだった…。
ー出典:Wikipedia
加賀恭一郎シリーズ第4弾です。
阿部寛さん主演のドラマ『新参者』や『麒麟の翼』なんかが有名ですね
東野さんの作品としては珍しく、通常の加賀恭一郎の視点に加え、所々にある人物の“手記”が挟まる形式となっています。
手記に書かれていることは真実なのか?何のために書かれた手記なのか?
そしてある人物に向けられた“悪意”の謎・・・
あなたも騙されること間違いなし!!
東野さんの技巧がキラリと光る、社会派ミステリの傑作ホワイダニットです。
(※ホワイダニット=Why Done It なぜ犯行をおこなったのか?などの動機の究明をテーマにした作品)
本であるからこそ可能な仕掛けで、本の醍醐味を存分に味わえます。
3.夜明けの街で
運命的な出会いでもなく、バッティングセンターで出会った渡部と秋葉。2人は出会いを重ねて深い仲になっていくが、渡部は秋葉が高校生の頃に起きた、ある殺人事件の関係者だと知る。犯人は未だ捕まっておらず、秋葉がその事件の容疑者扱いとされていることも知る。事件は既に15年が経過しており、3月31日が終われば時効を迎える。自分が築き上げてきた家庭が壊れることを恐れながらも秋葉に惹かれる渡部は、その事件と関わりを持つことになる。
ー出典:Wikipedia
シリーズものではない独立した作品となります。
この作品のテーマは不倫です。主人公は「不倫なんてするやつはバカだ。」
「何も得るものがなく、時間の無駄だ」
「なぜそんなリスキーなことをするのか意味が分からない。」というスタンスです。
しかしそんな主人公が段々と不倫に流されていく様は凄まじいリアリティです。
あまりにリアル過ぎる描写に、もしかして著者は不倫の経験が?という疑いが出たほどの作品になります。(注:勿論潔白です)
特にリアルな話を読んで、ドキドキしたいという方にオススメです。
最後に
自粛のお供に新しい趣味の開拓はいかがですか?
<了>